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日本人は英語が苦手 なぜ?

日本人は英語が苦手?

日本人は中学・高校と少なくとも6年間は英語を勉強しているのに、なぜ簡単な英会話ができないのでしょうか? 最近では小学校でも英語の授業が取り入れられています。大学を卒業している人なら、少なくとも10年は学んでいることになります。でも、ほとんどの日本人は英語が苦手です。というか、海外からやってくる外国人の多くは「日本人は英語が話せない」と驚きます。同時に海外に日本人が行くとどうしても直面しなければならない厳しい現実でもあります。

英語が苦手!

日本人の相対的な英語力は?

わたしは外国に20年近く住んでいました。英語が出来ないとどれほど不便か身にしみてわかります。そして自分も含め日本人の英語は、世界的な標準からすると低いレベルであることもよくわかります。いろいろな調査がありますが、どれを見ても日本人は相対的に英語力が低いことは事実です。たとえば、TOEICですが、2019年の日本人の平均スコアは523でした。調査の対象となっている49の国々のなかの43位です。TOEICはそれなりに英語を身に着ける必要があって、学習している人が受けているわけですから、そういう人たちも他の国と比べると残念ながら下位に位置しています。

これは仕方のないこと?

だからといって日本人は言語能力が低いとか、日本の英語教育が間違っていると言いたいわけではありません。まあ、正直に言うと、正しく教えられているとも言えません。ただ、ここで言いたいことは、「日本人が英語が下手なのはしかたがない」ということです。

なぜ、しかたがないのか

?? 開き直るのか、と言われそうですが、理由は簡単で、日本人は生まれてから言語能力が定着するまでに、英語はおろか日本語以外の言語に接する機会がほとんどない、からです。日本に生まれて、日本で生活していると、どこに行っても日本語だけで足りる。学校に行くようになっても、専門性の高い教育を受けていてもです。そんなの当たり前じゃないの、と言われるかもしれませんが、実は多くの国では母語以外の言語をいくつか使わないといけない環境がふつうにあります。

言語構造

すべて日本語で足りる日本は普通ではない

上の図はわたしたちが使う言語を分類したものです。母語生まれてから自然に習得する言語です。標準語とはこの場合、人が社会生活を営む時に主に使われている言語です。教育言語とは専門性のある内容を学ぶ時、伝える時に主に使われる言語です。左側にあるように日本ではいずれも日本語ですが、例として右側にネパールを取り上げました。ネパールでは3つの言語が異なっていることがわかります。ネパールではネパール語を母語とする人たちが約50%いますから、その人たちは母語と標準語が同じですが、教育は英語で受けるのが普通です。(この部分はもう少し複雑なのですが、とりあえず話を簡略化します) ですから、ネパールでは10年間学校教育を受けている人なら、基本的な英語は出来るのが当たり前なのです。

近隣の国の言語も話せる

これ以外にも近隣に強い影響力を持つ国があると、その言語も使う必要があります。ネパールではこれがヒンディー語なんですね。インドの主要な言語のひとつで、政治的、文化的に強い影響力を持つために、多くのネパール人はヒンディー語がわかりますし、会話もできるのが普通です。

環境が不利だから、それをカバーしましょう

こう考えると、日本人はあらゆることを日本語だけで済ませられるため、外国語を習得する面では不利であることが、よくわかりますね。そもそも、英語が出来なくても困らない環境であることが大きいです。すべての国を調べることはできませんが、日本のような単一言語社会よりも、ネパールのような多重言語社会の方が多く見られます。ですから、海外で長期にわたって生活しない限り、日本人は英語を使う機会が絶対的に少ない環境で生きているということです。このことを踏まえたうえでの英語学習なんです。不利な環境だから、出来ないままでいいわけではありません。むしろ、それをカバーして乗り越えていく必要があります。どのように?
その一つが英語環境を作り出すことです。こちらの記事もご覧ください。